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【連載】日経エコロジー7月号 ISO事務局悩み相談室

リスク管理にlSOを役立てるには?

リスク管理にlSOを役立てるには? リスク管理にlSOを役立てるには?
 このところ企業の不祥事が相次いでいることもあり、CSR(企業の社会的責任)に対する関心が高まっている。
 CSR推進室を設置する企業も増えているが、具体的に何から始めたらよいか苦慮する企業も多い。今回は、ISO14001をCSRやリスク管理のための有効な手段として活用しているケースを紹介したい。

県主催の環境フェアに出展

 日立製作所水戸事業所は、地域の環境フェアに継続して参加し、環境コミュニケーションの輪を社内外に広げることに成功している。
 同事業所は、1997年にISO14001認証を取得後、環境コミュニケーションに対する関心が高まり、2001年からは茨城県主催の環境フェアに出展している。その後、環境報告書を発行し、地元の公民館に環境報告書のダイジェスト版を置く活動も始めた。半年ほどで約30部が無くなった、という。
 環境フェアヘの出展に当たっては、予算が少なかった分、ISO事務局では工場内の他部門から協力を得なければならず、結果として社内を巻き込むことができた。環境フェアは、毎年秋に2日間、県内の公園で開かれる。ブース内での説明員の派遣やパネル制作は、営業や設計部門との交流につながった。
 このほかにも地域の環境問題に関心の高いNPO(非営利組織)や企業、公共団体など社外の知り合いも増え、情報交換できるようになったそうだ。水戸事業所環境管理グループの岩田竜一氏は、「展示ブースを見ていただける地域の方は、毎年、2日間で約500人になる。対面のコミュニケーションなので単に環境報告書を置くよりも効果的」と話す。
 環境の展示会は、環境関連の取り組みだけではなく工場全体を知ってもらえるのでメリットは大きい。さらに、岩田氏は、「工場内の仕事内容を知ってもらえるので、 トラブルが発生した時でも正しく認識していただけるのではないか」と話す。
 リスク管理には双方向のコミュニケーションが欠かせないことから、こうした試みは有意義なものといえるだろう。
 ISO事務局の担当者が、リスク管理として避けて通れないのが産業廃棄物などの処理の問題である。
 ISO14001認証を取得すると産廃のマニフェスト票の管理は審査でも暗黙の確認事項となっているので徹底している企業が多い。しかし、産廃処理事業者の管理となると契約書の確認だけにとどまる企業も少なくない。
 この点、グループ411サイトでISO14001の統合認証を取得したコニカミノルタは、不法投棄などの不適切な処理のリスク回避を徹底している。特に重点的に取り組んでいるのが産廃処理事業者の管理で、事業者の選定ルールを定めグループの共通基準として運用している。
 具体的には、新たに委託先を選ぶ場合は、事前調査と訪問調査の結果をグループ共通の事業者評価票にまとめることを義務づけている。
 右の図で示したように、ウェブ上に設けた業者審議システムの中で、申請、承認、議論のための電子会議を実施。最終的には廃棄物審議委員会で、総合的に評価して決裁する仕組みだ。
 訪問時の調査は、適正処理の確認だけでなく、安全面への配慮や清掃状況などにも及ぶ。訪問時に問題点を発見した場合は、改善を要求した上で委託を始める。このため、このルールの導入後、取引のある産廃事業者が事故を起こすことはほとんどなくなったという。

「排出処理依頼表」に工夫

 こうした管理の徹底に加え、コニカミノルタグループの優れた点は、委託事業者とコミュニケーションを緊密に取り、精度の高い情報を共有している点である。
 同社は、かつて委託した産廃処理事業者が危険な処理をしている現場に遭遇した経験がある。
 その反省に立って新規に排出物が発生したり、排出物の性状に変化があった場合、その部署が「排出処理依頼表」を作成し、環境管理部門へ提出することにした。
 環境管理部門は、その内容から適切な産廃処理事業者を選定する。排出物のサンプルとともに「排出処理依頼表」の一部を産廃処理事業者にも渡すことで、廃棄物に関する情報の共有を図っている。
 同時に環境管理部門では、事業者を決定した後に「排出処理依頼表」の写しを担当部署にも返却する。情報をデータベースとして蓄積し、担当者の変更や工場内の処理工程が変更した時にも廃棄物情報が混乱しないように対応している。
 この「排出処理依頼表」は、産廃の形態や取り扱い上の注意に加え、その組成まで記載されており、廃棄物データシートの先駆けになった。
 ISO14001をいかにリスクマネジメントに役立てるかは、いまや認証を取得した事業所の共通の関心事になっている。2004年6月にISO14001認証を取得した横浜市でも、一定の成果を上げ始めている。
 同市の職員数は4万4000人に上り、人為的なミスによるリスクも高い。ミスを減らすため、横浜市は法令順守の評価を3ヵ月に1回実施し、国や県などに対する届け出に漏れが無いかをチェックする。
 同時に横浜市は情報の開示を積極的に進め、 リスクを回避している。市民や企業の代表者で構成するアドバイザー委員会を設置し、年に4~5回、市の環境活動に関する取り組みを開示してアドバイスを受けている。
 この委員会のメンバーは、ISOの内部監査にも立ち会い、終了後には講評もするという。このほか横浜市は環境問題にかかわらず問題が起きた時には、すぐに記者発表をする体制を整えている。
 この3件の事例は、CSRやリスク管理の観点からも情報開示と双方向のコミュニケーションが重要であることを教えてくれている。

●コニカミノルタの廃棄物業者選定システム

業者審議システム
コニカミノルタグループは廃棄物処理事業者を選ぶ時に厳しい選定基準を設けリスク管理をする。ウェブ上に設けた業者審議システムが特徴だ

ここがポイント

  1. 双方向のコミュニケーションの仕組みを作る
  2. 廃棄物管理では現状確認と情報共有を徹底
  3. 情報の開示を積極的に進める

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2007年06月28日 09:58に投稿されたエントリーのページです。

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